スタジオを6月末で一旦引き上げまして、自宅を改装しました。
床壁天井を白くしてとりあえず撮影ができるように。猫のはなの闘病と共にスタートしたスタジオオープンでした。闘病の末はなちゃんは4月15日に満11歳で亡くなりました。しずくは初めて1匹での冬を迎えます。柱に貼ってあるマスキングテープは爪研ぎに乗ってお座りしているはなちゃんの頭の高さです。まさか亡くなるとは思っていなかったので、今も爪研ぎとマステはそのままにしています。
スタジオは一旦引き上げまして出張撮影をメインにしておりますが、新しい場所は広範囲で探しています。西宮、神戸、芦屋、宝塚、明石あたりまで。うん、広範囲。
良い場所が見つかればまた場所を持ちたいと思います。
あけましておめでとうございます。
あけましておめでとうございます!2020年は忍耐の1年となりました。
2021年は楽しいことがたくさんありますように。小さな幸せをたくさん写真におさめていきたいと思います!今年もどうぞ宜しくお願いします!
ほんの少しの差
ヒビが入ったペーパーウエイト。これはガラスを巻いてまだ熱いうちに水につけたらできるヒビ。
水につける時間が短いとヒビにはならなくて、水の跡みたいなものが残ります。
この水につける時間っていうのが体感で言うと1秒から2秒程度。ほんの少しの差でヒビが入る。
長くつけていると割れてしまいます。
こちらはガラスの破片を巻き付けてペーパーウエイトにしたもの。大きさの違いや熱の具合によって伸び方なんかも変わります。
吹きガラスの魅力の一つが熱く溶けたガラスを扱うところにあり、オレンジ色の塊が温度によって色や形を変えていく様子は私にとって何物にも代えがたい魅力があります。
溶けたガラスはなかなか思い通りにならず、扱いが難しいけれど、思うような形になったり、または思いがけない結果を生み出すことがあって引き込まれます。
年数を重ねていくと思いがけない結果というのを得る機会が減ってしまうような気がしますが、そこを予測、コントロールしながら魅力的な塊を作り出せたらいいなと思っています。
その現象をどうとらえるか
ひとつひとつ手作業で制作する吹きガラスの作品については、気泡や脈理(みゃくり)とよばれる筋のようなものが入ることがあります。この写真は竿を付け替える際に少し欠けたガラスがくっついてしまったもの。
ポンテ竿に付け替えているところ。(写真集「熱と空気」より)
こちらは気泡。
真ん中あたりについている筋のようなものはジャックと呼ばれるガラスの形を整える道具を使った際についたもの。
こちらがジャック。(写真集「熱と空気」より)
気泡が入って色が抜けてしまったもの。
こういった現象は工業製品だったり、納品先によっては不良品としてはじかれてしまうものです。
筋や気泡が入っってしまったものは売り物にはならない。
吹きガラスを始めた当初は私の技量などまだまだで、いつか個展とか開いてみたいとは思いつつなかなかそう思えるまでに至りませんでした。
何度かイベントなどで販売させていただいた時に私がダメだと思っていた部分
「気泡」「ゆがみ」「同じ大きさではない」
そういったところを愛でてくださる人が多いことに気が付きました。
「この子とこの子を並べるとかわいい。」とか、「このぽってりとした感じがまたいい。」とか。
同じものを作れほうがもちろん技術的には良いのですが、それなら工業製品の方がいいのかもしれません。
同じ大きさ、同じ形を作れるというのは本当に難しく、技術的には目標のひとつではありますが、ひとつひとつ個性がある物も良いのかもしれません。
吹きガラスの作品がどのような場所で生み出されるのか、どのような道具を使うのか、グラスの制作過程、窯替え、ガラスの美しさなどをまとめた写真集「熱と空気」。
この写真集を作るにあたり、吹きガラス工房GGGの皆様には撮影協力だけでなく、文章なども見ていただきました。
またデザインをお願いしましたタカギトオルさんにもデザインだけでなく、文章から現像、セレクトまで長期にわたりアドバイスを頂きました。
印刷に関しては当初ネット印刷を考えていたところ、色の出方など納得できないものがあり、友人に紹介していただいて京都の修美社さんにお願いできることになりました。短い期間の中で個展に間に合わせていただき、また箔押しなどもご提案いただき、より良い作品集になったと思います。たくさん人の力をお借りしてできた写真集。
たくさんの方に見ていただきたい作品集です。
新型コロナウイルスの影響により、写真展は来年以降にどこかで開きたいと考えています。
また吹きガラスの制作も今のところお休みしていますが秋には復活したいなと思っています。
あけましておめでとうございます。
2020年新年あけましておめでとうございます。
2019年は写真集を刊行することができ、 大阪のカロブックスさんで写真展を開催させていただいたのですが、なんと!お取り扱い本の年間売上ぶっちぎりの1位をいただきました。
2019年は個展目前に個人的にとてもダメージを受ける出来事があり、現在仮住まいで心身ともに疲れがでてしまった年末年始にとてもうれしいご報告でした。
2019年は良いことと悪いことが同じくらいの大きさでやってきた年になりました。2020年は写真集をもっていろいろなところに出店をしたいと思っております。また、東京で個展ができたらいいなと考えています。
写真集やZINEの販売イベントなどございましたら、是非お声掛けください。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
個展スタート
いよいよ明日というか今日10/22から大阪は江戸堀にありますCalo Bookshop and Cafe さんにて個展が始まります。
2007年からはじめた吹きガラスとも10年を超えるお付き合いとなり、同じく10年以上お世話になっております吹きガラス工房 GGG Glass Blowing Studio さんのご協力のもと、工房で撮影をさせていただきました。
写真表現大学 というところで写真を学んでいた時の卒業制作で「ものづくり」というシリーズを撮りたいなと思いたち、その頃から度々撮影をさせていただいていました。
私はどうやら日常の中にある美しさや、働く人の姿が好きで、特に自らの手でなにかを生み出す作家さんや職人さんへの憧れが強く、出来ることなら自分も何かに秀でた技能をもち、死ぬまで仕事を続けたい思っているのですが、10代や20代の頃はそういう仕事は選ばれし人がするものだと思いこんでいました。
自分がなにがしたいのか、何に興味があるのか、その辺りを探るのが大学なんだろうなと今となっては思います。
何が秀でたものを持っているわけでもなく、何かひとつに没頭し、人生をかける勇気も決断力もない私は写真をとおしてそういった憧れや尊敬のようなものを記録したい。また日々の暮らしの中にある美しさを残したいと願っているような気がします。
写真集については最初はzineを作ろう。予算があまり出せないからネット印刷にと思っていたのですが、写真をセレクト、プリントし、何度も組み直しているうちに、きちんとした写真集とよべるようなものにしたくなりました。
恩師であります タカギ トオル さんに編集をお願いし、何度も相談に乗っていただき、根気強くお付き合いくださり、とてもとても感謝しています。
印刷は校正の段階でネット印刷ではお話しながらものづくりができないと思うようになり、友人のひとみさんにご紹介いただき、京都の修美社 さんで紙質や色について相談に乗っていただき制作しました。急なお話だったにもかかわらず、初日に間に合わせて下さり、本当に感謝しております。
ですので、自分自身本番当日に刷り上がりを見る事になります。
展示については写真集には入っていないものも飾っています。
自分なりにセレクトをしてシュミレーションを重ねました。
見ていただく方にどのように届くのかとても楽しみにしています。
先月末の騒音事件(自分たちには事件か事故のようなものです。)から今日の本番まで、間に合うのか不安がたくさんありました。
体調を壊してしまい、キャンセルさせていただいたお仕事もあります。写真教室も今月はおやすみさせていただきました。
引越しもなんとか17日に終わり、先程パソコンも無事つながりました。今週から建築プレゼンテーションのお仕事と撮影も復活します。
これからどうなっていくのか不安もたくさんありますが、まずは写真展が無事開催されることを喜びたいと思います。
夫には展示のパネル貼りから準備も優先的に手伝ってもらいました。ありがとう。
二人でなんとか生活を取り戻すため頑張っています。
そんな自分へのご褒美の2週間を楽しみたいと思います。
個展は作家のためのもの。作家自身が一番楽しみたいと思います。
プロとかアマチュアとか趣味とか肩書とか。
桜
名所と呼ばれるような場所にはほとんど行かず、家の近所や普段の街並みなんかを撮るのが好きです。
夙川公園は自宅から近く、ここだけは行ってしまう。人はなぜ桜に惹かれるんだろう。
スマホを持つのがあたりまえになって、写真を撮ってる人がたくさん。人はなぜ写真を撮るのだろう。
去年の台風で倒木が多かったので今年は少し景色が変わってしまった。
樹木が大きく育つまでには長い長い月日がかかるけれど、災害で様子が変わってしまうこともある。
比較的自然豊かな場所に住んでいるので、ご近所にも森のような場所もたくさんある。街のみんなが愛していた大きな大きな紅葉が家からすぐのところにあったけど、土地の持ち主が変わって紅葉だけは残すと言っていたのにあっさりと切られてしまった。私にとって風景が変わっていくことは少し心に隙間風が吹くような感覚に陥ることがある。
それは築60年ほどの古い日本家屋の家に生まれ、山と川があっていつまでもそこのある風景だと思って育ったからかもしれない。
私の育った家はもう築100年を超えた。
去年だったか一昨年だったか、ご先祖が眠るお寺の境内がぴかぴかに建て替えられた。
とても悲しかった。
阪急電車の色は私の故郷を走る近鉄電車と小豆色具合が似ていて好きです。